遺産分割協議書に捨印は必要か
もちろんほとんどは知っている知識ばかりで、参考になる部分はほとんどないのですが、逆に相続の実務家として、その内容にクエスチョンをつけたくなることもあります。
その一つが、遺産分割協議書に捨印を押すかどうかという問題です。
捨印とは、内容を訂正する必要が生じた際のために、あらかじめ押しておく訂正印のことです。
つまりその捨印があれば内容を修正することが可能なわけですが、この捨印は押すな、と書かれている本がほとんどです。
もちろん、各相続人間で複雑に財産を分配する場合などは、作成後、協議書を勝手に訂正される危険を冒すべきではありません。しかし相続財産がほとんどなく、それを長男が相続する場合など、内容が単純で問題がない場合には、押しておく方が実利があります。
なぜなら、遺産分割協議書自体に不備があって、土地や建物の登記ができない場合も中にはあるからです。この場合、内容の訂正ができないと、改めて遺産分割協議書を作り直し、そこに全員の実印を押し直さなければならなくなります。
しかし全員の捨印がそろっていれば、余白に加筆するなどの訂正をするだけですみます。
ですから私たちのような相続の専門家でも、「万が一のために、問題がなければ全員の捨印をいただいておく」というのが実務です。本で語られていることは確かに理想なんですが、世の中に絶対ということがない以上、訂正が必要となる可能性を考えておくというわけです。
やはり本と実務の知識は異なる点も多いです。本だけでは処理しきれない事例も多々あります。ですから私たちのような、法律家の出番があるわけですね。
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樺太などの日本の旧領土に戸籍があったとき
どうしてそんなことが問題になるかというと、相続手続を行う場合には、どんな手続であれ被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本が必要になるからです。
そして高齢で亡くなられた方の場合、中には戦前に樺太などで生まれた方もいらっしゃるのです。この場合、どのように戸籍を集めればいいと思いますか?例えば旧樺太(北方領土のはるか北ですね)に戸籍があった方の場合、外務省に戸籍の一部が持ち帰られ保管されています。ここに戸籍がないか調べることになります。
ここに残っていなかった場合には、戦争で焼失したということですから、外務省から、外務省には保管していない旨の証明を取得して戸籍に代用します。
このように現在取得できない戸籍については、戸籍の代わりにその旨の証明を用意することになります。これは戸籍自体が存在しない場合に共通したステップです。
戸籍の取得一つにしても、いろいろ大変です。難しい戸籍の取得は、当センターにご相談下さい。
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遺産分割協議書に、フチが欠けた実印の押印は有効か?
印鑑証明書に登録してある印鑑のフチが欠けてしまっていたのです。
遺産分割協議書には、各相続人の方の署名と実印の押印が必要です。
この実印とは、印鑑証明書に登録してある印鑑のことを言います。そして実印であることの証明として、遺産分割協議書には各相続人の印鑑証明書を添付しなければなりません。
そしてこの印鑑証明書と押印された実印の印影を照らし合わせて、相続人の署名が偽造などでないことを確認するのです。
では、今回のようにフチが欠けてしまった実印はどうでしょう?
これでは実印と、印鑑証明書登録の印鑑の印影が異なってしまってますよね。この場合、実印の押印は有効になるでしょうか?
その答えは、場合によります。
実印のフチが多少欠けた程度なら、印鑑証明書の印影と比較して、相続人本人の押印だと確認できます。
しかし実印のフチが大きく欠けてしまっていたり、また実印の内側の名字を掘った部分が欠けてしまっていたりすると、相続人本人であることの確認が取れません。
この場合はその相続人の方に別の印鑑を市役所に登録してもらって、新しい印鑑で印鑑証明書を取らなければならなくなります。これは本にも載っていない、実務の知識です。
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相続手続業務、遺言書作成業務、生前贈与手続業務の中で気づいたことなどを、当センターの代表である私が書いていきたいと思っています。
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2010年8月22日 | コメントは受け付けていません。 |
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