相続人を決める法律上のルール
■法定相続人について
相続人について、具体的に指定した遺言書がない場合、法律では民法で定められた法定相続人が被相続人の相続財産を相続することになります。
①夫(妻)が亡くなった場合、妻(夫)が相続人となる
法律上結婚していた夫婦の一方が亡くなった場合、もう一方(その配偶者)が相続人となります。この場合、夫婦関係は事実上のものではなく、法律上の届出が必要です。また離婚したのち亡くなった場合は、相続人とはなりませんので注意が必要です。法律上の婚姻状態が継続していたことが必要です。
逆に法律上は夫婦だったが何十年も別居していた場合、この場合でも夫婦の一方が亡くなればもう一方は相続人になります。要するに全ては法律上の状態を基準に判断するということです。

②法律上の夫婦間に子供がいた場合、その子供も相続人となる
①の夫婦間に子供がいて、その子供が生きている場合、彼らも当然に相続人になります。この場合、①のように配偶者(子供たちにとっては片方の親)がまだ生きていれば、相続分の割合は、配偶者が2分の1、残りを子供の数で均等割りすることになります。

③認知された子供や養子がいた場合、その子供も相続人となる
では結婚している男女の間に生まれたのではない子で、生まれたのち認知された子供や、亡くなった人が養子縁組して迎えた養子についてはどうでしょうか?
民法上これらの子供たちも、法律上の夫婦から生まれた子供と同様の権利をもち、同じだけの相続分をもちます。ですから②の場合と区別せずに扱います。

④②や③の子供がすでに亡くなっている場合、さらにその子供が相続人となる
被相続人が亡くなったとき、その子供がすでに亡くなっていて、生存しているのが被相続人からみて孫だった場合、亡くなってしまった子供の相続分は、孫が受け継ぎます。これを民法上、代襲相続と呼びます。そしてこの孫が複数いる場合、子供が持っていた相続分はさらに孫の数で均等割りされることになります。

⑤①~③ののち、相続手続をしないでいた間に②や③の子供が亡くなった場合、
②や③の子供の配偶者、さらにその子供が相続人となる
また最初に夫婦の一方が亡くなって相続が発生したのち、何年も相続手続をせず放っておいて、その間に相続人である子供が亡くなってしまった場合、同じように孫がいれば孫が相続分を得ることになりますが、これは代襲相続ではありません。厳密には二つの相続が発生しているからです。
ですからこの場合、子供の配偶者が生存していた場合には孫と同時に、子供の配偶者も相続分を得ることになります。これは相続人である子供が亡くなったことによって、①のルールにより子供の配偶者にも相続分が発生するからです。この違いを把握しましょう。

⑥相続人から廃除された相続人がいる場合、さらにその子供が相続人となる
これは④のルールと同じです。つまり廃除された相続人は、亡くなった相続人と同様に扱われるということです。もっとも廃除自体がそれほど行われない手続ですので、これが適用される場面はあまりありません。

⑦相続放棄した相続人がいる場合、さらにその子供は相続人とならない
これは⑥との比較でとても重要です。ある相続人が相続を放棄した場合には、その子供や孫も同時に相続権を失います。④や⑥のような代襲相続は起こりません。

⑧ここまでで誰も相続人がいない場合、被相続人の親・兄弟(甥・姪)が相続人となる
ここまで説明してきた7つのルールにあてはめて、誰も相続人となるべき人がいなかった場合、例外的にその相続財産は、被相続人(財産を残して亡くなった人)の親、親が亡くなっていれば兄弟、兄弟が亡くなっていればその息子(被相続人からみれば甥)・娘(被相続人からみれば姪)が相続します。
ただし、兄弟の孫には相続権はありません。兄弟が亡くなっていた場合、その下に相続権が発生するのは一代限りです。
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