相続人の中に海外在住者がいるとき
■遺産分割協議書作成上の問題点
現在の国際化された日本では、相続人が海外に在住しているというケースも多くなりました。しかし相続人が海外に住んでいる場合の相続手続は、いろいろと困難が伴います。当センターでは、海外在住の方からの直接の相続手続のご依頼も請け負っています。相続人の中に海外在住の方がいる場合の手続について説明していきましょう。
海外在住の相続人と連絡がつけられないとき
ある相続人がずっと昔に海外に行ってしまい、その後何年、何十年も経っていて、相続人の現在の住所も分からず、連絡がつけられないということもあります。
この場合は行方不明者として扱うしかありません。不在者財産管理人を選任して、その不在者財産管理人を遺産分割協議に参加させて相続手続を行う方法です。この方法であれば、海外の相続人と連絡が付けられなくても遺産分割・相続手続を行うことができます。
海外在住の相続人と連絡が取れるとき
この場合は、たとえ海外在住の相続人が日本に来られない場合でも、相続手続を行うことはできます。この場合、日本国内に住んでいる相続人と海外に住んでいる相続人の間で、国際電話・手紙・メール・スカイプなどを利用して、遺産分割の話し合いをする必要があります。この話し合いが終わった後は、普通の相続手続と同様の手続をとることになります。
このとき出てくるのが、海外在住の方の場合、遺産分割協議書に添付する書類(住民票・印鑑証明書など)をどのように用意するかという問題です。
①遺産分割協議書に記載する住所の証明
通常、遺産分割協議書を作成する場合、各相続人は住所を記載し、その住所が正しいという証明として印鑑証明書を添付します。
しかし海外在住の相続人が遺産分割に参加する場合、遺産分割協議書に記載した住所を証明する書類として印鑑証明書を利用することができません。印鑑証明書という制度は日本独特の制度で、海外在住の相続人は印鑑を登録したり、印鑑証明書を取得したりすることができないからです。そのため、海外在住の相続人は、自分の現住所を証明する書類として、「在留証明書」という書類を取得する必要があります。この在留証明書は、以下の要件を満たしていないと取得することができません。
①申請者が日本国籍を保有していること
②在留届が提出されていること
③3ヶ月以上現地に滞在し、住所が公文書などで明らかであること
この要件をすべて満たす場合には、海外在住の相続人は現地の日本大使館/領事館に申請すれば、在留証明書を取得することができます。この申請に必要な書類は、以下のとおりです。
①旅券・運転免許証など、現住所に居住している期間を証明できる書類
②日本から取得した戸籍謄本
これらの書類を添付することによって取得した在留証明書記載の住所を遺産分割協議書に記載します。そしてこの在留証明書を添付すれば、遺産分割協議書の住所の証明はOKです。
②実印の押印と印鑑証明書に代わる、本人であることの証明
日本であれば、個人の実印を押し、役所に登録してある印鑑証明書を添付すれば、それで本人であることの証明として通用します。
しかし海外では印鑑証明書という制度自体が存在しないので、海外在住の相続人は、別の方法で遺産分割協議書の内容に合意・署名したのが自分自身であることを証明する必要があります。そのために用いられている方法が「サイン証明書」と呼ばれる書類です。
この手続には、海外在住の相続人は遺産分割協議書などを現地の大使館/領事館に持って行き、そこの係官の前で署名・拇印の押印をします。するとその署名・拇印の押印が相続人本人によるものである証明として、係員がサイン証明書を発行してくれます。またそのサイン証明書と証明が必要な書類には割印を押してくれます。これによって印鑑証明書がなくても本人確認の証明は可能です。
当センターでは、海外在住で日本で手続ができない方の相続手続も受けたまわっております。
海外にいながら日本で相続手続を済ませたい場合には、当センターにお問い合わせ下さい。日本全国対応致します。
またオーストラリアには現地スタッフもおりますので、オーストラリア在住の方はその旨お伝え下さい。もちろんそれ以外の国にお住まいの方も大丈夫です。
詳しくは、相続手続専門の当センターにご相談下さい。





