遺言書があった場合の遺産相続手続

まずはどのような遺言書か確認しましょう

1.自筆証書遺言の場合

手書きの遺言書(自筆証書遺言)を見つけた場合は、そのままでは相続手続に使用できません。被相続人の住所地を管轄する家庭裁判所で検認(簡単な裁判)が必要になります。

また封筒が封印されている場合は、決して開封してはいけません。

遺言書の検認申立に必要な準備

遺言書の検認申立の必要書類リスト
  • 被相続人の全ての戸籍謄本
  • 被相続人の戸籍の附票
  • 相続人全員の戸籍謄本
  • 相続人全員の住民票
  • 代襲相続では中間の戸籍謄本
  • 相続関係説明図・法定相続情報一覧図

これらの書類をそろえたら、家庭裁判所の検認申立書を作成して提出します。申立の際には相続人の数×2枚の80円切手と、遺言書の数×800円の収入印紙が必要です。

家庭裁判所への申立書の提出は郵送でも持参でも構いません。申立後2週間前後で家庭裁判所から検認の日程について打ち合わせの電話が入ります。その後、正式な検認日の通知書が裁判所から郵送されてきます。

検認当日は、遺言書と遺言書の数×150円の収入印紙を持参して裁判所に出頭します。同様に他の相続人も呼ばれます。そこで裁判官が遺言書の封を開けて内容と筆跡の確認、申立人は遺言の作成や保管の経緯などを聴取されます。約1時間程度です。

検認終了後の手続

検認終了後、家庭裁判所はその日のうちに遺言書に検認証明書を添付してくれます。
検認を受けた遺言書が法律上有効な形式のものであれば、これで遺言書の内容通りに不動産の名義変更や銀行預金の解約などを行うことができます。 但し遺言書以外に戸籍謄本や印鑑証明書は別途必要です。

金融機関によっては検認証明書では足りず、検認調書謄本をほしいと言われることもあります。これは検認の際に聴取された内容を家庭裁判所がまとめた書面です。検認後1週間前後で家庭裁判所から発行してもらうことができます。

2.公正証書遺言の場合

公正証書遺言の場合はよけいな手続きはなく、すぐ相続手続に使用することができます。もっとも被相続人や相続人の戸籍謄本や印鑑証明書などはやはり必要です。

公正証書遺言が見つからない場合は、近くの公証役場に戸籍謄本等をもって確認に行くと、作成の有無、全国どこの公証役場に遺言書が保管されているか検索してもらうこともできます。

3.遺言書に不備がある / 遺言書と異なる相続がしたい

・自筆証書遺言に形式的な不備がある場合
・遺言書に全ての遺産の記載がなく、包括条項もない場合
・相続人全員の合意で、遺言書と異なる内容で遺産を分ける場合

全遺産それぞれの相続人が遺言書で決まっていないことは、実は珍しくありません。遺言書で手続きできるのは遺言書に書かれている遺産だけですから、書かれていない遺産については遺言書がないものとして通常の通り遺産分割協議が必要になります。
自筆の遺言書で形式に不備があり、遺言書が無効の場合も同様です。

また遺言書が何十年も前に作成されたもののときは、最近の事情が反映されていないこともあります。このような場合には、遺言書で指定された受取人が法定相続人だけの場合に限り、遺言書は使用せず。相続人全員で協議して遺言書と異なる内容で遺産分割を行うこともできます。

以上を組み合わせて、預金等の相続は遺言書の通りに、不動産については相続人全員の合意で別の分け方をするなどと柔軟な方法を取ることもできます。この場合の相続手続きには遺産分割協議書の作成が必要になります。

詳しくは当事務所の無料相談をご利用下さい。

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